不動産投資を考える上で新築か中古というのは、永遠のテーマです。
実は一概に新築がいい、中古が良いというのは言えなくて、投資家が不動産投資でどのような投資をしたい(どのような目的な)のかによって取るべき選択は変わってきます。
本記事では投資用不動産として新築・中古の違いについて解説していきます。
特にワンルームマンションに特化して記載していきますね。
新築不動産投資のメリット・デメリット
まず、新築不動産投資について解説していきます。新築というと、どうしてもテンションも上がりますし、何より営業マンから綺麗なパンフレットで最新の設備を説明されると、ついつい欲しくなってしまった、と言う方も多いと思います。しかしあくまで投資なので、自分が住むような感覚で選ばないようにしましょう。投資家目線が大切です。
新築不動産投資のメリット
- しばらく(10年ほど)修繕の必要がない
- 設備が最新のため入居者がつきやすい
- 『新築プレミアム』により周辺相場よりも高い家賃が設定できる
- 45年ローンが組める
しばらく修繕の必要がない
不動産投資ではエアコンや給湯器などの設備が10年~に1度入れ替えが必要になります。中古物件の場合は購入後すぐに設備の交換が必要になり予想外の出費になるケースがありますが、新築では購入後しばらく設備の交換費用はかかりません。物件購入後、十分な時間をかけて設備費用の積み立てができるため、計画的な運用が可能になります。
設備が最新のため入居者がつきやすい
物件の設備というのは日進月歩で新しい技術が進んでいます。例えばドアの鍵ひとつ取っても、セキュリティ面で信頼の高いディンプルキーは今では当たり前のように普及していますが、築年数が経つ家はディンプルキーはついていません。また、キッチンやバスルームなどのデザインも最新の設備の方がキレイで入居者に好まれやすいため、やはり最新の設備というのは入居率のも大きく影響してくるポイントです。
『新築プレミアム』により高い周辺相場よりも高い家賃が設定できる
『新築プレミアム』とは、同条件の周辺物件と比べて、『新築』というだけで家賃を高く設定しても入居者が付くということを指します。入居者としても新築というステータスは非常に魅力的に映るためこういったメリットがあります。ただ新築プレミアムは新築時のみであり、入居者が入れ替わってしまうと、その後は周辺物件の家賃相場に落ち着きます。
45年ローンが組める
不動産投資(ワンルームマンション)では35年ローンが一般的でしたが、最近45年ローンが組める金融機関が出てきました。45年ローンを組むと月々の返済が抑えられ、毎月の収支を以前よりも改善して購入することができるようになります。
不動産物件には法的に耐用年数というものが決められていて、RC建築では47年と設定されております。物件に対して組めるローン期間はこの耐用年数を参考に決められており、RC建築のワンルームマンションなら建築から50年程度に設定されることが一般的です。
つまり45年ローンを組むには築5年未満の物件でないといけません。実際に築5年未満の中古不動産が市場に出ることは稀ですから、これは新築のメリットと考えることができます。
新築不動産投資のデメリット
- 物件価格が高い
- 都内であれば好立地物件が減ってきている
- デベロッパーの営業がしつこい
物件価格が高い
新築物件というのは、中古よりも物件価格が高額になる傾向にあります。理由は物件価格の決まり方にあります。
中古物件は相場家賃から逆算した物件価格・相場により価格が決定します。市場からの需要により物件価格がきまるというシンプルな構造です。一方新築物件は市場からの需要に合わせて、新築デベロッパーによるパンプレット制作費や広告費、タレント起用費、営業マンの人件費などなど、さまざまな営業費用がかかっています。そのため中古物件よりも割高になる傾向にあります。もちろん新築物件でも今後の相場の値上がりによって結果として割安で買えるケースも多々あります。購入エリアの再開発や経済の物価の上昇率などを抑えると失敗しづらいです。
都内であれば好立地物件が減ってきている
ワンルーム不動産投資では、やはり都内高立地は非常に魅力的です。もちろん銀座、六本木などの超一等地ではなくても、中野や荻窪などの中央線沿いや横浜などの神奈川エリアなども住宅地として非常に人気です。しかし、そういった人気地域は過去かなり開発され、新規で物件を建築するスペースが残っていないとも言われています。
そのため新築物件は葛飾区や荒川区、江戸川区、足立区などの不人気エリア(あくまで投資としてです)の物件、成田空港周辺なども出てきており、投資先として長期で賃貸需要を見込み続けることができるか不安なエリアが多い印象です。
デベロッパーの営業がしつこい
新築デベロッパーの営業部隊は、自社物件を売ることが第一目的です。
そのため、さまざまな営業トークで自社開発物件が非常に優良な物件であることをアピールします。もちろんそれ自体が悪いことではありませんが、やはり投資家としては純粋に物件を比較して検討したいものです。比較することで投資家自身のリテラシーも向上して良し悪しの判断がつくようになります。
そのため、新築デベロッパーの営業を聞いたあとは、他の不動産投資会社からも営業を受けてみることをオススメします。
中古不動産投資のメリット・デメリット
次に、中古不動産投資について解説していきます。ここでは築15年程度までのRC建築のワンルームマンションを想定しています。中古不動産投資と聞くと、若干上級者向けのような印象を持たれる方もいらっしゃいますが、そこまで怖がるものではありません。新築とメリット・デメリットを比較してみましょう。
中古不動産投資のメリット
- 物件価格が相場
- 好立地物件が存在する
- 中古不動産を扱う営業マンは顧客に合わせて提案してくれる
物件価格が相場
中古不動産は物件の賃貸需要によって価格が決まります。新築物件と違って、広告費などの諸経費が物件に乗らないので、相場で購入することが可能です。
不動産投資において物件価格は投資対効果に直結するポイントなので、これは非常に大きなメリットと言えます。
好立地物件が存在する
新築不動産と違って、人気立地の不動産も選択肢に入ってきます。築10年ほどで値上がりしている物件も多数あることから、長期的な賃貸需要が見込める物件が中古物件には多数存在していることを証明しています。
新築物件は非常にキレイで魅力的ではありますが、立地に関しては中古不動産の方が好立地で魅力的であることは往々にしてあります。
中古不動産を扱う営業マンは顧客に合わせて提案してくれる
中古不動産を扱う不動産会社の営業マンは、顧客目線での提案経験があることが多いです。顧客のニーズを満たすことを第一に考えるため、物件に囚われず柔軟に提案してくれます。
新築デベロッパーの営業マンは自社物件の販売のために雇用されているため、このような柔軟な対応は望みづらいです。
中古不動産投資のデメリット
- 長期のローンが組めない
- 設備が古く、入居者に好まれづらい
- 突然の修繕が必要になる可能性がある
長期のローンが組めない
不動産物件に対するローンは一般的に築50年までとなっています。築20年の物件であればローンは最高で30年という具合です。そうなると、築15年を過ぎたマンションは35年ローンが組めないので、月々の返済金額が高くなってしまいます。もちろん45年ローンも難しくなります。とは言え、組めるローンの期間も徐々に伸びてきているので、金融機関とコネが強い不動産会社に交渉してみるといいかもしれません。
設備が古く、入居者に好まれづらい
設備が古く入居者に好まれない代表としては、3点ユニットバスではないでしょうか。風呂トイレ別、独立洗面台は多くの入居者が希望する条件の一つですが、建築コスト削減のため、3点ユニットバスが導入されている中古物件は非常に多いです。
こういった物件は入居者がつきづらく、ついたとしても家賃を下げる必要が出てくる可能性もあります。そのため中古物件を購入する場合は、設定家賃と同エリアの相場家賃、そして設備がどうかと言う点をしっかり検討する必要があります。
突然の修繕が必要になる可能性がある
マンションには給湯器、エアコン、室外機など、経年劣化とともに買い替えが必要な設備が設置されています。中古物件では購入後すぐに設備の刷新が必要なケースがあり、想定外の出費が発生する可能性があります。高くても10万円程度の出費ではありますが、急に請求書が届くと精神衛生的にも良くないので、しっかり購入前に以前の設備交換時期を確認して、準備しておきましょう。
結局、新築・中古どちらの物件が良いの?
新築、中古のメリット・デメリットについてまとめました。どちらにもメリットデメリットがありますが、結論どちらの方が良いかは物件や投資家の目的によって変わってくるので一概には判断できません。
ただ一つ言えることは、親身になって投資家の目的達成のために相談に乗ってくれる業者さんを見つけることが、不動産投資成功の鍵と言うことです。不動産投資は物件の良し悪しがそのまま投資対効果に影響します。そのため、良い物件(目的に合った物件)を探してきてくれる業者を見つけることが非常に重要です。自分では物件の一次情報を拾うのはなかなか難しいですからね。
そういった業者を見つける一つの方法として、不動産投資のセカンドオピニオンを活用することは非常に効果的な手立てです。
不動産投資のセカンドオピニオンの業者の選び方はこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新築不動産、中古不動産にはそれぞれメリット・デメリットがあります。自分がどう言う投資をしたいかによって取るべき選択肢は変わってくるでしょう。まずは自分自身が不動産投資を通してどういう結果を得たいのか、を考えてみると良いでしょう。
それでは!
PS:私は新築、中古両方保有しています!目的によって買い分けていますよ!